東京で薬剤師が転職を成功させるためのポイントは「目指したい働き方」と「非公開求人」を意識すること!
薬剤師の皆さん、こんにちは。
ところで、皆さんは、現在の日本における薬剤師の人数がどれくらいか、ご存知でしょうか。
平成元年(1989年)において薬剤師の人数は全国で15万人程だったのですが、そこから毎年平均5%ほどの増加率をたどり(近年の増加率は1~3%程に落ち着いていますが)、現在では当時の倍の約30万人までになっているそうです。男女比は大体男3:女7と、70%が女性で占める傾向が続いています。
ちなみに、都道府県で見たときに薬剤師の数が最も多いところはどこかというと、東京都です。東京都は約4万人の薬剤師──つまり、全国の約13%の薬剤師が集まっている、ということですね。東京は勤務先や求人数も他の都道府県と比べて群を抜いて多くなっています。それだけ、沢山の薬剤師の方々を必要としている地域であると言えるでしょう。
ですが、だからといって「薬剤師として転職するときは、東京が有利か?」というと、そうとも言い切れないのです。それはなぜか──。
現在この記事をお読みの方の中にも、東京で薬剤師勤務をされている方や、現在転職活動中で、東京での勤務先を探されている方も多くいらっしゃることでしょう。そこで今回は、東京での薬剤師の転職・求人にフォーカスを当てて、お話をしていきたいと思います!
目 次
東京の薬剤師転職事情
東京の薬剤師の平均年収は他の都道府県と比較してやや低め?
さて、東京での薬剤師の求人・転職状況においてこれから詳しく説明していきたいと思いますが、まずは以下のデータを見ていただけますでしょうか。
都道府県別 薬剤師の平均年齢、勤続年数、年収
都道府県 | 年齢 | 勤続年数 | 年収 |
---|---|---|---|
東京 | 38.4歳 | 7.2年 | 513.1万円 |
神奈川 | 40.6歳 | 6.4年 | 556.1万円 |
静岡 | 42.3歳 | 11.6年 | 659.5万円 |
熊本 | 38.5歳 | 7.3年 | 614.9万円 |
群馬 | 36.0歳 | 7.2年 | 613.1万円 |
総務省 統計局 賃金構造基本統計調査 「職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」より抜粋して作成 |
上記は東京と他の都道府県を一部抜粋して比較した表になるのですが、ご覧になられて何か気付かれた点はありますでしょうか。平均年齢で言うと、どの都道府県も40歳前後に寄っているところが確認できます。勤続年数においては、静岡がやや長めになっていますが、それ以外では7年前後といったところが平均値のようです。ですが、東京の薬剤師の平均年収はというと、他の都道府県と比べてやや低い数値となっています。
一般的に、業種に関わらず「東京は他の都道府県よりも平均年収が高い」と言われていますが、薬剤師業界に至ってはそうと言えない数値が出ています。実際は東京よりも平均年収の低い都道府県もあるのですが、それでも東京は全国都道府県別の平均年収ランキングで見ると、やや下の方に位置づけされます。──これは何故でしょうか?
人口比率でも、東京は薬剤師の割合が高く、転職激戦区
なぜ東京での薬剤師の年収が低いのか──その理由は、「人口比率より薬剤師比率の方が高い」からです。
東京都の人口は、現在約1,350万人程(全国の約10%)とされていますが、それに対し約4万人の薬剤師が活動しています。冒頭で、全国での薬剤師数は30万であるとお伝えしましたが、13%強の薬剤師が東京に集まっているということですね。つまり、人口比率で見てもなお、東京には薬剤師が多く集まりすぎているのです。転職という観点から見ると、薬剤師の求人は募集数よりも応募数の方が多くなりがちな、いわゆる買い手市場(企業側の方がイニシアティブを取りやすい状態)になっているということですね。
なぜ東京に人口比率以上に薬剤師が集まってしまうのかというと、「東京には薬学部のある大学が多い」というところに理由があります。東京都には国立・公立・私立含め、計10校の薬学部がある大学があるのですが、これは全国計73校の薬学部がある大学の13.7%に当たります。つまり、薬剤師になる手前の、「薬剤師になろう、なりたい」と志す人も集まりやすくなっているのです。
更には、東京においては「地方より老年人口比率が低い」という特徴があります。薬剤利用はどうしても、若い方よりも高齢の方のほうが平均的に需要の高まりが顕れますので、そういった点からも東京は、薬剤師求人数より薬剤師ライバル数の方が多くなる傾向になりやすいのです。
これらの傾向から、薬剤師の過剰状態は今後も続くと考えられており、東京の薬剤師の買い手市場の状態はしばらく継続されることになるでしょう。
東京での薬剤師勤務で年収アップをどんどん目指していくとしたら、数多くいるライバル達から抜きんでるような、スキルや実績を積んでいく意識を持つ必要があると言えます。
東京ならではの、薬剤師としての働き方は?
「年収が低いのだったら、薬剤師としての勤務先や転職先を東京に拘らなくてもよいのでは」と考えた人もいらっしゃることでしょう。──たしかに、もし年収を第一優先に勤務先を探されているという場合は、東京という地域に特化しすぎずに転職先を選定された方が良いでしょう。
ですが、東京ならではの、得られやすい薬剤師としての働きがい、やりがいもあることも事実です。
東京は言わずと知れた日本の首都であり、世界でも有数の先進都市でもあります。また、日本で最先端の医療機関が集中しており、薬学に留まらず医療業界全般のイベントやシンポジウムも開催されています。その為、医療や薬学における最新技術や新しい学説にじかに触れられるケースも、圧倒的に多くなってくることでしょう。
また、東京は新薬開発などの治験やCRO(臨床開発)に携わる仕事を携わる企業の求人数も他の都道府県と比較してとても多く、最近では「メディカルライター」と言って、健康・医療に関する専門情報を適切に届けるため、適切な文章の形で発信する専門家に対する求人など、薬剤師求人の職種や業務内容の幅も更に広がりつつあります。こういった働き方の多様性が多く現れるのも、東京での薬剤師事情の特徴の一つと言えます。
更には、東京23区内は事業所数が圧倒的に多く、区内だけでも日本の10%の事業所が集まっている地でもあります。その為、平日の日中は都内近郊から多くのビジネスマンが集まるため、特に中央区・港区といった地域では病院・調剤薬局・ドラッグストアといった形態によらず、薬剤師の方を必要とする多くの職場が存在します。また、23区外においても八王子市や府中市など、交通の便の向上に伴い新興住宅も増え、薬剤師の需要も高まってきています。少し離れた青梅市、立川市エリアでは、都心と比べると活動している薬剤師の数も減ってくるので、給与面で充実した求人が多くみられるようになってきます。
その他、東京などの都心部の勤務先では、有給や産休・育休などの福利厚生が充実した企業が多いことも特徴として挙げられます。結婚後の出産・育児を視野に入れた女性の方々にとって、多くの方が重要視するポイントでしょう。
東京在住の薬剤師転職エピソード
ここまで、東京の薬剤師転職事情についてお話してきました。続いては、実際に東京での薬剤師転職をされた方の体験談・エピソードを2点ほど紹介したいと思います。
都内 臨床開発モニターへの転職を行ったAさん(女性 33歳)
転職・就職歴:調剤薬局 → CRO(臨床開発モニター)
給与変化 :転職前年収 500万円 → 転職後年収 450万円
私は大学を卒業後、調剤薬局で働いてきました。調剤薬局での業務は覚えることも多く、スキルアップの観点でやりがいを感じてはいましたが、従業員数数名の小さなコミュニティにやや閉塞感を感じてくるようになっていました。もっと多くの人と接し、刺激を与えあえるようなコミュニケーションを求めていた私にとっては、正直やや物足りない面もあり、一度企業という大きなフィールドで働いてみたい、という思いを長年持ち続けていました。
その想いは30代になっていっそう強くなり、33歳の今年、転職を決意したのです。
転職先の候補出しは、人材紹介会社のキャリアアドバイザーの方の相談を受けながら決めていきました。東京都内ということもあり、沢山の企業、そして薬剤師有資格者を歓迎する職種案件がありましたが、私は兼ねてより「多くの人達との出会いと、刺激を与えあえるコミュニケーション」を適えられればと思い、医療機関への訪問と治験担当医師への説明などの機会も得られる職種として、「CROの臨床開発モニター」を希望しました。
もちろん、転職活動は大変でした(笑)。なかなか決まらず焦ることもありましたが、キャリアアドバイザーの方が「じっくり検討して、後悔のない転職ができるように進めていきましょう」と励ましてくれて、結果、業界でも知名度の高い世界有数のCROに入社することができたのです!周りの薬剤師の友人や、前職の同僚からはとてもビックリされました。
入社後は今までの業務とは全く違い一から学ぶ事ばかりで大変ではありますが、本当に多くの人との出会い、様々な経験ができています。今回の転職に踏み切って良かったと、心から思っています。
Aさんの場合は、「薬剤師としての仕事を通して、多くの人達との出会いと、刺激を与えあえるコミュニケーション」を求めてCROの臨床開発モニターを選ばれましたが、こういった様々な職種の求人を見つけやすいところも東京勤務のメリットの一つでしょう。
都内 調剤薬局への転職を行ったBさん(女性 39歳)
転職・就職歴: 調剤薬局 → ドラッグストア
給与変化 :転職前年収 150万円 → 転職後年収 300万円
私は都心郊外の調剤薬局でパートタイマーとして勤務していました。これまでパートと家事・子育てとで両立していたのですが、子供が中学に上がり大きくなり手がかからなくなってきたこともあり、パートのシフトをもっと増やせる職場に勤めようと、転職を考えるようになりました。
これまでは週3日勤務だったのですが、これから週4日以上は働けるだろうと考え、また出勤日が多くなると通勤時間も馬鹿にならないと考え、前職よりもう少し自宅から近い職場を希望しました。あとは、できれば少し忙しくない職場がいいなと。
それまでずっと総合病院の門前薬局で勤務しており、調剤の数も多ければ新薬も多いしで、お昼の休憩も十分に取れなかったことも多かったので。
「週4回勤務」、「自宅から近い」、「それ程忙しくない職場」と、希望する条件が多かったこともあり、なかなかそれらにマッチする求人を見つけるのは大変ではあったのですが、人材紹介会社のキャリアコンサルトさんも一緒に求人を探してくれて、ようやく「ここなら希望どおりの働き方ができるかもしれませんよ」という求人を見つけてきてくれました。
実際に店舗に行ってみると、なんと自宅からバス一本で行けるのです!更には、前の職場と違ってお客さんの数も安定していて、窓口に長蛇の列のようなものもないし、これなら週4日どころか、週5日も働けそうだな、と思いました。「是非この職場で働きたい」と思いました。そしてキャリアアドバイザーさんとしっかり面談対策を取り、晴れて内定のご連絡をいただいけたのです。
現在新しい職場に勤め始めて早3カ月が経ちました。通勤時間は前職と比べると往復で1時間近く減り、快適に過ごせています。また、お給料はなんと2倍以上までUP!本当に満足しています。
Bさんの転職体験のポイントで注視したいのが、「通勤時間」です。東京はもっとも交通の便の整備された地域ということもあり、少し離れた場所であっても、それ程時間をかけずに通勤できることもあります。また、他の都道府県と比較して人の流動の多い東京では、既存スタッフの退職などで不足した人員補充を埋める為のパート勤務募集が多く発生しがちです。Bさんのケースはそれらの特性をうまく活用出来ての、転職活動であったと言えるでしょう。
東京の転職活動時にお薦めの人材紹介サービス
東京の地で、薬剤師として転職されたAさんとBさんの体験談はいかがでしたでしょうか。Aさんは臨床開発モニターの正社員、Bさんはドラッグストアのパート勤務と、内容は大きく異なりますが、2人の体験談には以下の大きな共通点があります。
転職活動はすぐには決まらず、内定を貰えるまで苦労したこと
人材紹介会社のキャリアアドバイザーの支援を受けていること
前述の通り、東京は転職のライバル数も多く、このようになかなか決まらないというケースはとても多いことでしょう。その際に是非意識して頂きたいのが、人材紹介サービス、キャリアアドバイザーの活用です。
続いては、東京で薬剤師の転職活動を行う際に、お薦めの人材紹介サービスをご案内していきます!
東京の転職活動時にお薦めの人材紹介サービス その1 「薬キャリ」
「薬キャリ」の特徴として良く挙げられるのは、キャリアアドバイザーとして付く担当者の方のサポート品質が高いということですが、薬キャリの強み・特徴としてはそれだけではなく、「高収入求人が多数ある」という点も挙げられます。
前述の体験談のAさんのケースで挙げられたような大手企業の求人は、企業名を明かさない「非公開求人」として募集されることが多くあります。なぜ大手企業が求人を「非公開」で出すのかというと、企業側で「急な退職者対応を早急に(現場スタッフが不安になる前に)進める必要がある」であったり、「ライバル企業に採用状況等を把握されずに進めたい」といった理由が発生することがあるからです。
「薬キャリ」はそういった大手企業が募集する「非公開求人」が多く、また求人内容の品質もとても高いと評価されています。東京の地で自身の更なるキャリアアップを目指し、よりチャレンジできる企業の求人を受けたい、という方は「薬キャリ」の高品質なキャリアアドバイザーの支援を受けながら、非公開求人を含めた高収入案件を狙っていくのが良いかもしれません。
東京の転職活動時にお薦めの人材紹介サービス その2 「ファルマスタッフ」
続いてご紹介するお薦めの人材紹介サービスは、薬剤師の派遣、アルバイト求人に強いとされている「ファルマスタッフ」です。ファルマスタッフは薬剤師の転職に特化しており、かつ「転職先の情報収集のサポートやアドバイス」に強い転職サイトとして有名です。
ファルマスタッフの大きな特徴としては、薬剤師を募集する企業の求人を掲載する前に、必ずその職場を訪問して、職場の環境やそこで働く方々の雰囲気などの情報を集めるようにしているということです。その為、他の転職サイトより深い情報が収集されやすい仕組みになっています。つまり、面接前のアドバイスの時に、募集企業の環境や性質に合わせたサポートが期待できる、ということですね。
更には薬剤師専門のキャリアコンサルタントが専属で担当につき、求職者の方々のニーズやご不安箇所に合わせての対応が実現されやすくなっていますので、「家事や育児もあって忙しくてなかなか転職活動の準備がはかどらない」という方や、「勤務先の従業員・スタッフの雰囲気やコミュニケーションの状態などを知りたい」といった情報をお求めの方には特にお薦めの転職サイトです。
⇒ファルマスタッフのコンサルタントと相談しながら転職活動を始める!

まとめ
さて、ここまで東京の薬剤師転職事情について、実際に転職された方エピソードやお薦めの人材紹介サービスを交えてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここまでのおさらいを兼ねて、東京での薬剤師転職についての特徴を、まとめてみましょう。
東京は薬剤師求人は多いが、ライバルとなる薬剤師の数も多く、その為平均年収もやや低め(買い手市場)
募集職種は、薬局・ドラッグストア・病院だけでなく、治験・企業・メディカルライターなど薬剤師が活躍できる場が多くある
転職活動で「求人がない」となることはないが、「狙った職場」「狙った待遇」両方を追い求めるのは難しい
福利厚生がしっかりしている職場が多い
交通の便の良さから、アプローチできる求人の数も多くなる
人口が多いだけでなく情報やイベントも多い東京は、そこで活動する人たちに多くの刺激を提供していきます。
「薬剤師としての働き方を様々選ぶことができて、プライベートにおいても、様々な生き方、価値観を持った人々と多く出会え、体験をしていけるような、ワークライフバランスの取れた生活をしていきたい」と考える方にとっても、東京は現在日本で最も適した勤務地と言えるかもしれませんね。
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